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三界にわたってこれを守り,行じてゆく責任があります。
○日本の真の武道とは,万有愛護,和合の精神でなければならない。和合とは,各々の天命を完成させてあげること,そして完成することです。
○道というのは,丁度,体内に血が巡っているように,神の大御心と全く一つになって離れず,大御心を実際に行じてゆくことをいうのであります。神の大御心から少しでも離れたらそれは道にはなりません。
○相手の目を見てはいけない。目に心を吸収されてしまう。相手の剣を見てはいけない,剣に気が把われてしまう。相手を見てはいけない,相手の気に吸収されてしまうからだ。真の武とは相手の全貌を吸収してしまう引力の錬磨である。だからわたしはこのまま立つとればいいんじゃ。
○植芝の合気道には敵がないのだ。相手があり敵があって,それより強くなり,それを倒すのが武道であると思ったらそれは間違いです。真の武道には相手もない,敵もない。真の武道とは宇宙そのものと一つになることだ,宇宙の中心に帰一することです。合気道では強くなろう,相手を倒してやろうと錬磨するのではなく,世界人類の平和のため,少しでもお役に立とうと,自己を宇宙の中心に帰一すること,帰一しようとする心が必要なのです。私の武産の合気は宗教から出てきたのかというとそうではない。真の武産から宗教を照らし,未完の宗教を完成へと導く案内であります。
○私は如何なる時,どんなことを仕掛けられてきても平気です。生き死にの執着が全くない。このまま神様におまかせしているのです。剣をもって立つ時ばかりでなく,常に生きる死ぬの執着を絶ち,神様におまかせの心でなければなりません。
○真の武道には敵はない,真の武道とは愛の働きである。殺し争うことでなく,すべてを生かして育てる,生成化育の働きであります。愛とはすべての守り本尊であり,愛な

 

 

 

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